海面下
海藻に身を任せながら
藻とプランクトンを美食する

私は成長し 美しい貝になる
オキーフの絵のような
うす桃色の衣をまとい眩い唇

ある日
漁師は私を袋に押し込め
ナイフを差し入れた
私を守る美しい衣は
意志をもたね装身具として
虚ろな人生のごとく
死ぬほど退屈している人間どもへ
売られてゆく

私は飾りもの
利益に目がくらみ
その影に苦しむ私の
気持がわかろうか

何故に憐れみの声は
富の前に
こんなにも無力なのか