玲亜: | 歴史を簡単に塗り替えたり、水で洗い流すことのできる壁だと考える人々がいます。 |
悟: | いや、歴史を永久に消すことのできないものとして、考えている人もいるよ。 |
ミン: | 私の意見では、永久に残ることができる人間なんてありえないのだし、遅かれ早かれ、すべてのものは、塵と化すのだから。 |
玲亜: | 私たちはもっと過去に対し、注意を払わなくてはいけないと思うわ。 |
ティン: | そう簡単にはできないことね。 |
玲亜: | 本当に、まったく。権力はしばしば、過去の出来事を時の施政者の都合に合わせて「再整理」しすぎてきたわね。 |
ミン: | 確かにその通りだ。歴史を生きたものにするためには、多くの声が必要だね。歴史は決してひとつの民族や文化だけで決められるべきではない。多数の声が生かされるべきだよ。 |
ティン: | そうね。多くの人々が甲高い声でケンケン、ガクガクと論争するのも大変ね。私は、歴史が単一化や神話化が必要とされること自体、怪しいと思うわ。 |
玲亜: | 誰のために。そして何の目的のために。歴史に対する深い反省がなければ、私たちはただのあやつり人形よ。 |